滲出性中耳炎 耳鼻咽喉科 はせべ医院537-0022 大阪市東成区

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滲出性中耳炎

(しんしゅつせいちゅうじえん)のQ & A


Q.いったいどんな中耳炎?

A.中耳に滲出液(炎症性の液)が長い間たまる病気です。多くは風邪(鼻やのどの感染)や急性中耳炎に続いて起こり、小児に多いのが特徴ですが、高齢者にもしばしばみられます。ほっておくと鼓膜の癒着がおこり、難聴などの後遺症が残ることがありますので何としても治療しておきたいです。



Q.症状は?

A.軽い難聴以外にあまり特徴のある症状はありません。急性中耳炎のように熱や痛みもありません。ですから自分の症状をうまく話せない小さいお子さんは気付かれにくいです。「呼んでも返事をしない」「テレビの音が大きい」ということがあれば一度耳を診せていただきたいと思います。


Q.なぜ治りにくいの?

A.炎症が長期化する原因のすべてはわかっていませんが滲出性中耳炎は次の二つにわけて考えられます。
タイプ1. 鼻やのどの炎症(感染やアレルギー)が長引いて起こるもの
タイプ2. 中耳だけに炎症があり鼻やのどに炎症がないもの。
もともと中耳には耳管という排水管があり、滲出液を中耳の外に流し出し、中耳をきれいにするしくみが備わっています。しかし滲出性中耳炎ではそれがうまく働きません。 ここで中耳にたまった滲出液を目薬にたとえてみましょう。目薬を逆さまにしても中の液は出てきません。 滲出性中耳炎はこれに似ています。



Q.治療は?

A.まず急性中耳炎と同様に抗生物質の内服を始めます。タイプ1では治療により鼻やのどの炎症がなくなれば滲出性中耳炎も治ります。しかしタイプ2では1よりも治りにくいことが多いです。いずれにしてもまず飲み薬で様子を見ます。またその間、耳管通気といって鼻から中耳に空気を通す治療も行います。これにより滲出液が出て行きやすくなると考えられます。 これでも治らなければ鼓膜切開や鼓膜チューブ留置術という手術を行います。鼓膜チューブ留置術は鼓膜を少しだけ切開して小さな管を挿入する手術です。 ここでまた逆さまにした目薬について考えてみましょう。目薬の底に空気穴をあけるとどうなるでしょう。目薬の中の液は出て行きますね。これがこの治療の原理です。


Q.すぐ治るの?

A. 飲み薬がよく効いたとしても滲出液が抜けるのに時間がかかります。3ヶ月で治れば順調です。中には半年、1年と続く場合があり、そうなると鼓膜チューブ留置術などの手術がよいでしょう。滲出性中耳炎は成長とともに治る傾向があり、小学生に上がる頃には落ち着くと言われています。確かにそうですが、治るかどうかはできるだけ低年齢からの対策が必要です。


Q.治らないとどうなるの?

A.何百人に1人の割合ですが将来 鼓膜の癒着がおこり、真珠種(しんじゅしゅ)や癒着性中耳炎(ゆちゃくせいちゅうじえん)という治療の困難な中耳炎になることがあります。これらの中耳炎は手術が必要になることもあり、様々な後遺症も残ります。あまり恐れることはないのですが楽観し過ぎることはよくないです。


最後に

滲出性中耳炎は症状が軽い軽症の病気ですがあなどれません。治療には時間がかかり根気がいりますがぜひ一緒に頑張りましょう。


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